先が気になる復讐劇、修羅場に陥らないハーレムなPT。エロシーンは主人公との和姦メイン、ただし特定のイベントで負ければ陵辱もあり。RPGとしては褒められない出来だが、幸いにも面倒な要素は少ない。ストーリーとエロを重視するならオススメ。
ストーリー
あらすじ
“悪魔喰い”の二つ名を持つ魔討士ギルベルトは、”始原の魔”ゼノヘミアに復讐するため、レグルス島にやってきた。レグルス島はゼノヘミア配下の5人の魔女たちが支配する島だ。ギルベルトは現地で仲間となった少女たちと協力し、島に巣食う悪魔どもを討伐・封印していく。
魔女を犯してハーレムPTに加えていく
カオスドミナスは、主人公最強のダークファンタジーだ。ギルベルトの目的はあくまで妹を殺したゼノヘミアへの復讐だが、魔討士としての本分に忠実な彼は、悪魔に苦しめられている人々を見捨てられない。全員女の仲間たちはそんなギルに惹かれて、身も心も彼に捧げるようになる。
ヴェロニカ以外の魔女は、ギルベルトに敗北した後、彼の仲間となる。彼女たちが魔女時代に行った悪逆非道は主に取り憑いていた悪魔のせいで、悪魔の依代となった当人の本意ではない。それゆえ悔い改める覚悟を決めた元魔女をあえて処刑する必要はなく、ギルベルトに協力してゼノヘミアを倒すことでひとまずの罪滅ぼしとする――といった理屈で、元魔女は民衆からの弾劾を免れるわけだ。
レグルス島の民は人格者が多くて何よりだ。おかげでギルベルトは、魔女に取り憑いた悪魔を封印した後も、極めて優秀な彼女たちのまんこを今後も堪能することができる。
ギルベルトは、あらゆる悪魔を封印する”魔王の書”を持っている。悪魔を封印するには、封印前にとことん弱らせる必要がある。肉体的には戦闘によって弱らせる一方で、精神的には激しいセックスによって屈服させるのが一番だ。そのためギルベルトは、魔女を倒した後は必ず一度は足腰立たなくなるまで犯している。
また、ギルベルトは、寡黙でぶっきら棒だが己の性欲を決して隠さない男だ。「禁欲は心身を蝕む。欲に正直に生きよ」と師に言われて育った彼は、そこに抱ける女がいるなら抱く以外の選択を取らない。「抱きたくなった女が好みの女」とのたまい、美味そうな据え膳を差し出されれば、未通女であろうと遠慮なくいただく。天を仰いだペニスは萎えることなく、女と自分が満足するまで何度でも射精し続けるのだ。
そんなギルであるから、元魔女の同行は戦力強化以外の面でも実は喜ばしいことだろう。ギルに惹かれて一番初めに付き従ったノルンにとっては災難だが、どうせ彼女一人で彼の性欲を満たすことはできまい。
よく練られたメインストーリー、エロと内面を掘り下げる個別ステージ
カオスドミナスのシナリオは、複数あるステージから選んで進める形式になっている。フリーバトル以外のステージは、STORYとCHARAに分かれている。STORYは上述のとおりだが、CHARAはメインストーリーに直接関わらない外伝的な内容だ。ヒロインとのHイベントのほとんどは、キャラステージにおいて発生する。本作にはヒロイン個別のルートやエンディングはないけれども、このキャラステージが実質的な個別ルートに当たるだろう。
メインストーリーは、魔女を順番に一人ずつ倒していく流れだが、一本調子にはなっていない。魔女ごとに際立った個性があり、魔女を討伐して仲間に加えるのは予定調和だとしても、そこに至るまでの過程は大きく違っている。魔女に統治された地域の内情や魔女自身の境遇、そしてギルベルトの過去や隠された力の秘密が徐々に明らかとなってゆき、最後まで飽きずに読み進めることができた。
一方、キャラステージにおけるエピソードは、ヒロイン別に連続性のある内容だ。ヒロインからの依頼を受けるといった形で様々な事件に関わり、それを解決する過程で彼女たちの内面がより深く掘り下げられていく。また、ヒロインの性的嗜好を明らかにし、ギル専用のおまんこに調教していくことにもなる。
カオスドミナスのシナリオは、全体としてかなりのボリュームがある。メインストーリーを終えた時点でも、未回収のHイベントが大量にある。残りは、追加されたキャラステージを進めて回収していくことになる。正直に言って「長すぎやしないか?」と辟易することもあったが、すべて終わってみれば、「もう少し続いてほしい」という恋しさがあった。
エロシーン
エロシーン数
合計78:ノルン 6, カルラ 8, ミラベル 7, ヒジリ 5, トモエ 5, パメラ 6, ロレッタ 7, ベルティーナ 7, レティシア 6, アンフィニ 3, ヴェロニカ 3, ?(ゼノヘミア) 1, ??(3P) 5, ??? 4, その他(MOB, マルタ) 5
エロシーンは、ギルベルトとパーティメンバーの和姦が中心。ただし、ギルベルトが最初に魔女を犯す場合、和姦になるか陵辱になるかは魔女の性格による。特定のイベントのボス戦で負けると、ヒロインが敵などに陵辱されたうえでゲームオーバーとなる。
エロシーンには、ヒロインの性格や性的嗜好がある程度反映されている。ただし、本作は本格的な変態紳士向けの作品ではないので、行き過ぎたアブノーマルプレイはない。例えば、ヒロインに露出嗜好があったとしても、真っ昼間の路上で公開浣腸排泄したりすることはない。せいぜい、物陰に隠れた身内に覗き見られながらアナルセックスする程度だ。
ギルベルトは絶倫なので、一回出したくらいで終わることはほとんどない。セックスするなら抜かずに連続中出しが彼のスタンダードだ。口淫中心のエロシーンでも、顔射からお掃除フェラをさせて、さらに精液を飲ませる程度のことは普通にやる。
ヒロインはみんなギルのことが心から好きなので、恥ずかしくて拒絶したくなるようなプレイにも結局は付き合ってくれる。ノルンとアンフィニ以外のヒロインは、膣内快楽は当然、お口もアナルもギルによって開発される。そうしてみんな、ギル専用の淫乱おまんことして自らの身を彼に委ねてしまうのだ。
一方、敵に敗北してヒロインが陵辱されるシーンは悲惨だ。エロシーンとしては単なる輪姦が多いのだが、ギルとのセックスでさんざん和姦調教的な雰囲気を醸してきたせいか、寝取られにも似た喪失感がある。また、ヒロインが心底嫌悪を感じているのが伝わってくるので、普段のヒロインとのギャップに興奮させられる。
エロシーンの具体例については、以下のヒロイン別のリストを参考にしてほしい。このリストにおいて「。」は基本CGが入れ替わることを表している。緑字は、ギル以外による陵辱。
ノルン・カンパーニ (CV:ヒマリ)
純真無垢な町娘。エッチのときの反応が初々しく、羞恥心が比較的強い。ヒロインのなかでは最もヤキモチ焼き。
カルラ・エルドール (CV:春日アン)
ギルベルトの幼馴染で聖騎士。一度処女喪失してからは、わりとエッチに積極的になる。ギルが気にいる自分でなければ捨てられるかも、という強迫観念があり、マゾっ気もある。
ヒジリ・タテノミヤ (CV:和葉)
トモエの妹で、見た目は姉よりも成熟している。のじゃ口調。本人は認めたがらないが、性欲を持て余す淫乱体質だ。口先では威厳を保とうとするものの、感度が良すぎてギルの責めに耐えられない様子が可愛らしい。アナル感度も良好。
パメラ・サームズ (CV:紫苑みやび)
爆乳の聖職者。溢れんばかりの人間愛が強すぎる性欲をもたらしており、毎夜愛用の木の張り型で自分を慰めている。パーティメンバーでは唯一の非処女枠で、初めては奉仕活動中、かわいそうな傷病兵に捧げたらしい。自己犠牲と性欲の発散が彼女のなかでは両立しており、ギル以外に進んで肉体を差し出す唯一のヒロインでもある。
レティシア・コンスタン (CV:渋谷ひめ)
亡国のお姫様。心優しいが、為政者として打算的なところもある。ギルベルトを利用するために近づくものの、彼の魅力にやられて秘密の肉体関係を続けてしまう。みんなに内緒で、ロイヤルな性器(お口と肛門を含む)を自分専用に開発していくのがとても楽しい。
ヴェロニカ (CV:ももぞの薫)
唯一仲間にならない魔女。エロシーンは陵辱オンリー。悪魔が憑いていようがいまいが性格が歪んでいるという、陵辱されるためにいるような存在だ。
ミラベル・アードルグ (CV:手塚りょう子)
元魔女の毒舌ツンデレ精霊術師。幼くして魔女になったため、未だにお子様体型。羞恥心とプライドが邪魔してイヤイヤな態度を取ることもあるが、押しに弱くて結局やってしまう。立派な胸を持ったヒロインばかりのなか、微乳であることに少しコンプレックスを持っているところが可愛らしい。
トモエ・タテノミヤ (CV:有賀桃)
ヒジリの姉で元魔女。生真面目な女剣士。性知識に疎く、恥の意識も強い。感度良好な初い娘に、卑語や性技を仕込んでいく楽しさを味わえる。ギルベルトによると、まんこの具合が姉妹で似ているらしい。
ロレッタ・シャンス (CV:麻優莉)
魔女。褐色肌のお嬢様。ギルベルトにぞっこん惚れており、ギルのためなら何でもしてくれる最も献身的なヒロイン。たぶん性奴隷扱いされても喜ぶのではなかろうか。ロレッタとのセックスでは、支配欲が満たされる感覚がある。
ベルティーナ・セメンテリオ (CV:百千るか)
元魔女の竜人娘。世間知らずで、セックス=繁殖という独特な貞操観念を持つ。好奇心旺盛で羞恥心が薄いようにみえるが、秘められた性的嗜好をギルに見抜かれる。膣よりも肛門でするセックスが好きらしく、エロシーンでもアナル責めにあうことが多い。
アンフィニ (CV:みる)
隠しヒロインのホムンクルス娘。食欲と睡眠欲がなく、物欲もない。主(=ギルベルト)に忠実で欲望がないという彼女に、性欲を芽生えさせるプレイを楽しもう。
ゼノヘミア (CV:楠田兎)
ナイスバディな始原の魔。ギルベルトの仇敵。エロシーンは一つしかないので、余計なことは書かないでおく。
その他
マルタ (CV:榛名れん)は、ノルンの姉。
??
ヒロインとの温泉3P。ハーレムなPTを抱えておきながら、複数エッチは3P止まりなのが本作の残念なところ。
???
とあるボス戦での敗北イベント。
RPGとしてのゲーム性
とても難度が低い
カオスドミナスは、一応RPGでもある。
シンボルエンカウント制で、敵はこちらを追跡せず、敵と接触しないかぎり戦闘は発生しない。もし戦闘になっても、ボス戦以外はすぐに逃げられる。何ならマップから撤退することもできる。マップからいったん離れれば、パーティは全回復し、使用したアイテムもすべて補充される。
レベルはすぐに上がる。雑魚は全体魔法で掃除すれば、大体1ターンでKILLできる。レベルが適正であれば、たいていのボスには初見で勝てる。装備品類は高価だが、宝箱から出てくる装備品だけ使っていても、ゼノへミア戦まで不足はない。宝箱の在り処や敵の所在はマップに最初から公開されており、マッピングする必要がない。
そんな本作の難度は、とても低い。頭を使う要素がほとんどなく、サクサクとステージを進められる。ゼノヘミアや深淵の巨竜など恐ろしく強いボスも中にはいるが、それだけだ。ゼノヘミアはストーリー上必ず倒す必要があるが、深淵の巨竜を倒すのはただの自己満足なので無視してもかまわない。
操作性が悪い
カオスドミナスは、残念ながらキーボードだけでは操作できない。例えば、戦闘において、なぜかターゲットやコマンドの選択はマウスで行う必要がある。また、パーティ編成や装備の際には、マウスでのドラッグ&ドロップを強いられる。
ではマウスのみで操作すればいいかというと、それは可能ではある。しかし、マップ上での移動はマウスクリック移動ではなく、画面右下のアローキーをクリックして移動することになる。移動に関しては、キーボードでWASD操作したほうがずっと楽だ。
カオスドミナスのUIは、どう見てもPCでの操作に最適化されていない。これは、スマホやタブレットなどでのタッチ操作を前提としたUIをそのまま持ってきているだけのように思える。
ゲームバランスが悪い
カオスドミナスには、敗北しないと発生しないイベントがある。しかし、そういう場合にかぎって、相手が弱い。弱すぎて、通常攻撃オンリーでも倒しかねないし、相手の攻撃も痛くないので、こちらが負けてやるまで時間がかかる。だから、無駄な時間を短縮するためには、装備品を脱いで1人PTで突っ込んであげる必要がある。
スキルは、効果とSPコストが釣り合っていないものが多い。秘伝書などで新たなスキルを手に入れても、コストが辛すぎて使い物にならず、4+4枠しかないスキル枠にセットする気になれない。バーストスキルについては、全体攻撃系のスキルは大体死んでいる。バーストスキル自体、どうせボス戦以外では使用機会がないからだ。
ボスの単調な行動パターンには、制作者のやる気が感じられない。ボスのHP残量によって行動パターンが変化するといった定番の演出すらない。いや、もしかするとあったのかもしれないけれど、そのような変化を感じ取る前に戦闘自体が詰んでいる。明確な工夫が見られたのは深淵の巨竜くらいのものだった。あれはあれで本作の難度に不釣り合いだから、全部あのようにしろとは言わないが、それでもプレイヤーを楽しませる工夫くらいは見せてほしい。
総評
評価:良 よく練られたストーリーで、最後まで飽きが来ない。ご都合主義的な面もあるものの、許容範囲。主人公がユニークで存在感があり、仲間も敵も魅力あるキャラクターとして描かれていた。
M&Mさんが原画を手掛けるビジュアルは相変わらず美しい。中出しされたヒロインの恍惚とした表情が良い。また、胸の質感が非常に素晴らしく、ぷっくりとした完璧な色艶の乳輪に視線が引き寄せられた。
純粋な抜きゲーでないわりに、エロシーンの内容は濃い。特別過激なプレイはないものの、ビジュアルの出来の良さとキャラクターの魅力で、充分に使える内容になっている。
一方、RPGとしてのカオスドミナスは、まったく褒められた出来ではない。操作性が悪く、ゲームバランスも悪い。フリーのRPGツクール作品のほうがまだ楽しめるだろう。
しかし、低難度でサクサク進められるという点だけは良い。そのおかげで、 RPGパートに手間取って話が先に進まない、ということがない。この際、RPGではなくADVの戦闘・探索描写の代用品として考えれば、ポジティブに評価することもできるだろう。
カオスドミナスは、不満に感じる部分もいくらかあるけれども、長所がそれを上回る作品だと思う。CG、テキストともにボリュームたっぷりで、大作らしく充実した内容になっている。RPGよりも、ストーリー性やエロシーンに重きを置くならオススメだ。