アストロノーツ・シリウス『極限痴漢特異点』レビュー(評価:良)

大風呂敷を広げてシリアスな笑いを誘う痴漢活劇。魅力的なヒロインたちとの露出羞恥系のエロシーンが充実している。ラーメンに喩えるなら、あっさり豚骨風味な作品だ。

本作の見所を概観する

出典:アストロノーツ・シリウス『極限痴漢特異点』(2020)

本作は、凄腕のイケメン痴漢(草壁 喜壱きいち)が、痴漢願望を持つ女たちを次々と痴漢依存症に堕としてゆき、痴漢愛好者たちの集う闇の組織『蛮痴漢』でのし上がっていくという作品だ。

本作でいう「痴漢」とは、満員電車でお触りして満足するような小悪党を意味しない。喜壱が痴漢を行う場は電車内に限られず、人目があって公共性のある場であればどこでも行われる。服の上からお触りするだけでなく、近くの公衆トイレなどに連れ込んでフェラさせたり、そのまま処女を奪ったりもする。

つまり、本作でいう「痴漢」とは、人目を憚らないレイプ魔に近い存在である。

しかし、痴漢願望を持つ女たちにとって、喜壱のような凄腕の触り手によって痴漢されることは本望でもある。喜壱の指法によって痴漢願望が満たされた女たちは、誰も彼を本気で訴えようとはしないのがその証拠だ。

実際、喜壱に痴漢されることは、ヒロインにとって幸福なことだ。喜壱に狙われたヒロインたちは、痴漢されたことで己のコンプレックスを克服し、自己実現への道を歩みはじめる。しかし、傲慢にも喜壱の手を振り払ったヒロインは、逆に一人残らず不幸な状況に陥ってしまう。

出典:同上

残念なことに、ヒロインたちは皆、痴漢願望を持っていることに無自覚か、あるいは本当の自分を偽っているので、自分にとって真の幸せがどこにあるのかを知らないのだ。

そんな無知蒙昧なヒロインたちに救いの手を差し伸べたければ、まずは喜壱オリジナルの痴漢七十ニ指法を駆使して、彼女たちを痴漢依存症にしてしまうのが先決だ。それから、お気に入りのヒロインは自分の手元にキープしておいてもいいし、堕ちた女に興味を持てないのであれば、蛮痴漢へ『提供』してもいい。

出典:同上

蛮痴漢へ『提供』された痴漢依存症のヒロインは、クスリで抵抗できない状態にされたうえで、『箱舟』に乗せられる。

『箱舟』に乗せられたヒロインがその後どうなるのかは、物語開始時点では末端の触り手にすぎない喜壱には知ることができない。喜壱は『提供』の見返りとして大金を手に入れる一方で、『箱舟』に乗ったヒロインは痴漢の理想郷へと旅立つというが……作中で断片的に垣間見ることができる彼女たちの”その後”をみるかぎり、恐らくろくなことにはならないのだろう。

出典:同上

何にせよ、ヒロインを『箱舟』に乗せるかどうかは喜壱の気分次第だ。

ヒロインの今後を憂うのであれば、何よりもまずヒロインを堕とせるだけの実力をつけなくてはならない。この都市には至るところに痴漢願望を持つ女たちがいるから、鍛錬のための道具にしてしまえばいいだろう。

彼女たちは所詮モブだから、堕とすだけなら簡単だ。適当に弱点となる性感帯を刺激し続けるだけで、こちらに経験値を差し出してくれる。

出典:同上

ヒロインを堕とすためには、情報収集も重要である。

都市の各所には、そのヒロイン専門のストーカー……もとい情報屋が潜んでいる。情報屋どもは、担当ヒロインについての大して役に立たない情報を寄越よこす見返りとして、指定したモブ女を痴漢するよう要求してくる。

その女たちは奴らにとっては魅力的なのかもしれないが、こちらからみると首から上が無いただのトルソーだ。はっきり言って、どこに欲情していいのか分からない。痴漢した時の反応も似たような喘ぎ声を一声上げるだけだから、実にどうでもいい女たちだ。

そして、そんなどうでもいい女にかぎって、今どこをほっつき回っているのか分からないと来ている。日中夜中探し回って見つからないときは、諦めてラーメン屋にでも通うといい。

出典:同上

同じラーメン屋に何度も通い詰めていると、とっておきの痴漢情報や、ヒロインに着せて遊べるコスプレアイテムが貰えることがある。この都市には喜壱好みのラーメン屋が4つあるが、どの店の店主も偶然にも痴漢好きな変態野郎だという。これぞ類友というやつだろう。

コスプレアイテムは全部で12種類あるが、余程の好き者以外は自力で全部集めようなどと考えないほうがいい。獲得条件が面倒なうえに、特定のエロシーンでしか使えない微妙なアイテムだからだ。どうせ真なる結末までたどり着ければ、クリア報酬として全部回収できるのだから、本編中で苦労して集める意味はあまりない。

出典:同上

情報屋からヒロインの情報を入手し、モブ女を何人か喰らって自信がついたなら、いよいよ目当てのヒロインに痴漢を仕掛けるときだ。

ヒロインは、モブ女と違って、弱点が一つとは限らない。狙うべき弱点が途中で別の性感帯に変わることもあるし、ある程度欲情させてやらなければ弱点をみせないことだってある。また、喜壱が充分な鍛錬を積んでいなければ、ヒロインを普通に痴漢するだけでは、ターン制限内に堕とせないこともあり得るだろう。

そんなときは、喜壱の奥の手ーー必殺技を使う良い機会だ。「秘肉に噛みつけ、『蛇咬み』!」などと叫んで、ド派手なエフェクトとともに繰り出される喜壱の秘技は、一発当てるだけでヒロインを強く欲情させることができる。ちなみに、喜壱の秘技には全部名前がついているが、名付け親はすべて喜壱本人、という疑いが濃厚である。

出典:同上

喜壱がヒロインを痴漢依存症に堕とし続け、蛮痴漢の触り手としての地位を高めていくと、痴漢に敵対する警備会社『ブラックハウンド』の活動も活発化してくる。『ブラックハウンド』の女社長 蓮花は、蛮痴漢の会員と何かしらの縁があるらしいが……どの道、相容れない敵同士である以上、いずれは雌雄を決さねばならぬ相手だろう。

喜壱が蛮痴漢での実績を積み上げていけば、そのうち『箱舟』の謎についても分かるときが来る。そのときには、喜壱がこれまで『箱舟』に乗せてきたヒロインたちが、その先でどんな目にあったのかも判明するだろう。

出典:同上

本作は恐らく続編をにらんだ作品であるが、おおよその伏線は本作中で一応回収される。それでも多少物足りなく感じる部分はあるが、それらは続編で充実させられることを期待したい。

このヒロインはここがエロいっ!

基本CG枚数 合計80
エロシーン数 合計64:伊澄11、しゅか11、白亜11、蒼織11、リン11、蓮花4、ミツキ4、モブ(OL)1

ここでは、主にメインヒロインについて、その性的魅力のプロファイルを作っておいた。

ただ、ここに書かれていることは、ヒロインを箱舟に乗せなかった場合を前提にしている。本作は、その構成上、ヒロインを箱舟に乗せた場合については語れることが極端に少ないので、基本的にそちらには触れていない(*エロシーンの具体例を除く)

また、エロや萌え要素に関するネタバレはあまり自重していないので、その点を注意して読んでほしい。

賀茂 伊澄 (CV:蒼乃むすび)

出典:同上

伊澄いすみは、デビュー間もない若手声優。自分の容姿への自己評価が極端に低いため、メディア露出をともなうアイドル声優としての仕事は受けていない。Vキャスター(Vtuberと同義)『ルイン』の中の人としては成功しているものの、事務所からは搾取されており、収入は乏しい。

そんな伊澄とのエロシーンは、彼女の奥手な態度とは裏腹に、大胆で危ういシチュエーションが目立つ。例えば、アバターによるセックス生配信や公開収録中の現場で犯すなど、発覚すれば一大スキャンダルとなるプレイが強行される。しかし、痴漢願望のある伊澄は、口先では喜壱による痴漢レイプを嫌がってみせても、なかなか本気で拒絶しようとはしない。

また、伊澄は「女のほうからセックスしたいなんて言えない」という価値観の持ち主なので、基本的には受け身のままだ。弱みを握られているから仕方ないと言い訳しつつも、スカートを短くして喜壱の気を引こうとするなど、いじらしい振る舞いをみせてくれる。

伊澄ルートでは、人気声優の身も心も独り占めしたいプレイヤーの独占欲が刺激される。わたしの身体も喘ぎ声も、あなただけのもの」「エッチな女の子にした責任をとって」ーーそんなふうに言われて迫られる喜壱のポジションが非常に羨ましく思える。

伊澄のエロシーンの具体例

駅のトイレで:本番以外なら何でもするといい、処女のままパイズリとお掃除フェラ初体験。
スタジオで:Vキャスター『ルイン』として処女喪失レイプ動画の生配信。
ラジオ収録現場で:公開収録中にもかかわらず痴漢、アナルセックス。

喜壱以外に犯される場合では……

イベント会場で:ルインのコスプレ姿のまま、ファン達による輪姦。

等々、全11シーン(そのうち輪姦2、喜壱以外による陵辱1)。

真幡 しゅか (CV:有賀桃)

出典:同上

しゅかは、名門学園に通うお嬢様。セックスは汚らわしい行為だと厳格な両親から教えられて育ったが、ある日、両親のセックスを偶然目撃してしまい、価値観が壊れた。それ以来、しゅかは学園外では小悪魔系ファッションを装い、自分の身体に興味のある男たちを弄ぶのを趣味としている。

しゅかとのエロシーンは、電車、学園内、公園、喜壱の部屋など様々な場所で行われる。初期のしゅかは喜壱を挑発的に煽ったり、最低だのクズだのと罵ってくるくらいには口が悪い。しかし、何も知らない学友たちの前ではお淑やかに振る舞おうと努める。それがたとえ、痴漢されている最中だとしても、だ。

しゅかは内心、喜壱にオナホのように犯されることを喜んでいるくらいにはマゾ気質である。また、誰かに見られて感じる露出嗜好もあるようだ。

痴漢依存症となった後のしゅかは、エッチの際にこれまでとは真逆の態度をみせてくれる。堕ちる前と比べて、そのギャップに萌えられる小悪魔系ヒロインなのだ。

しゅかのエロシーンの具体例

電車内で:学友たちと話している最中に痴漢。
夜の公園で:浮浪者たちが覗き見ているなかで、スパンキング&セックス。
喜壱の部屋で:両親宛のビデオレター撮影(口淫・精飲、アナル処女喪失、絶頂お漏らし)。

喜壱以外に犯される場合では……

電車内で:校長と教頭による二穴輪姦。

等々、全11シーン(そのうち輪姦2、喜壱以外による陵辱1)。

津島 白亜 (CV:高梨はなみ)

出典:同上

白亜はくあは、有名私立学園の教師にして、県代表クラスの水泳選手。幼い頃に見つけた父の秘蔵の痴漢小説コレクションに耽溺し、痴漢されたいという願望を持つに至った。真正マゾヒストの白亜は、その肉体もアスリートして鍛えられており、心身ともにあらゆる苦痛を我慢できる素地がある。

そんな白亜のエロシーンは、他人にバレるリスクがとても高い状況で行われる。電車以外では、学園内のプール、男子トイレ、職員室などで、近くに生徒や職員がいる状況であってもかまわず犯される。

失うものが何もない喜壱と違って、白亜は立場のある身だ。彼女は普通なら足腰が立たなくなるほどの快楽責めを受けても、大声で喘いでしまうのを何とか我慢しようとする。

しかし、その快感を我慢するという行為自体も、ドMの白亜には別種の快感をもたらす。喜壱の絶技がもたらす肉体的な快感と、それを我慢する精神的な快感とに苛まれることによって、白亜はどんどん痴漢依存症に堕ちていくのだ。

白亜は、喜壱に犯されている一時だけ、痴漢願望を我慢することから解放される。白亜は有望なアスリートゆえに妊娠リスクを忌避するが、ドMの彼女にとっては「妊娠させられる」という恐怖もまた究極の快感となり得る。痴漢依存症となった白亜には、それを我慢することができるだろうか?

白亜のエロシーンの具体例

電車内で:競泳水着姿で電車に乗せ、一部の乗客に気づかれてもかまわず痴漢。
プール内で:競泳水着を着た白亜が生徒たちを指導している最中に痴漢。
男子トイレの個室で:予鈴が鳴るのに焦りつつも、はじめての口淫奉仕から精飲まで。
職員室で:老教員が一人残っていても、かまわずアナルセックス。

喜壱以外に犯される場合では……

プールサイドで:男子生徒たちに脅迫されて口淫、三穴同時輪姦。

等々、全11シーン(そのうち輪姦は3)。

矢坂 蒼織 (CV:榎津まお)

出典:同上

蒼織あおりは、大人気アイドルユニット『メテオール』のセンター。自分自身の魅力を充分理解しており、周りの人間をたぶらかして自分に都合よく扱うことに長けている。他人の美醜にうるさく、喜壱の顔はわりと好みのようだ。

蒼織は非常に欲深い女であり、性欲についても常人より遥かに強い。また、蒼織は人の注目を敏感に感じられるという能力を持っている。人に注目されればされるほど、ゾクゾクして気持ちよくなれる淫乱体質だ。

しかし、蒼織は恋愛禁止のアイドルであるがゆえに、セックスはおろかキスもしたことがない。プロ意識の高い彼女は、並の男なんて相手にする気がないそうだ。そこで、我らが痴漢界のホープ 喜壱が、蒼織の大事な初めてを全部奪ってやり、ステージで注目される程度では肉欲を抑えきれないようにしてやろうという話になるわけである。

蒼織はヒロインのなかで一番の性悪だからか、ファーストキスや処女喪失の扱いが一番酷い。だが、それでも蒼織は快楽に対しては貪欲であり、動物のように喜壱の肩に噛みつきながら激しく交わることを好む。

また、蒼織は、ちんぽの匂いが好きで、精液を飲むのもぶかっけられるのも大好きだ。アイドルなのに中出しを強く求めてくるし、はじめてのイラマチオやアナルセックスでも強い快感を覚えている。

蒼織ルートでは、潜在的に淫乱な人気アイドルを”主に自分用の”淫乱女に育てていく興奮を味わえる。蒼織にいろいろな”はじめて”を味わわせて、痴漢依存症へと堕としていこう。

蒼織のエロシーンの具体例

控室で:アイドル衣装のまま、はじめてのフェラ、イラマチオ、精飲
街の広場で:誰に見られていてもかまわず痴漢
ラブホテルで:自分のライブ映像をみながら、アナル処女喪失

喜壱以外に犯される場合では……

控室で:蛮痴漢主催のチンチン握手会で、大勢のちんぽを手コキ、ぶっかけ

等々、全11シーン(そのうち輪姦1、喜壱以外による陵辱1・和姦1)。

阿里 リン (CV:風花ましろ)

出典:同上

リンは、一部の界隈では有名なパパ活女子。パパ活歴は一年ほどだが、未だに処女だけは守っている。リンは再婚家庭で育っており、義理の母親の世話になりたくないため、パパ活やバイトの掛け持ちで将来の留学費用を稼いでいるという。

リンは、ヤリマン風な見た目や言動に反し、他のヒロインと比べてアブノーマルな印象の薄い女である。リンは、他のヒロインのように初フェラでいきなり喜壱の精液を飲み干したりしないし、精液の味自体も苦手なようだ。ただ、性格が捻くれていないため、セックスの快楽については膣でもアナルでも素直な反応を返してくる。

リンとの痴漢もセックスも、多くの場合、和姦もしくは和姦に近いプレイになる。リンは意外とサービス精神旺盛で、自分ばかりでなく喜壱も気持ち良くさせようと、彼女なりに頑張ってくれる。また、リンは自分からステージ上でのオープンセックスショーに誘ってくるあたり、他人に見られて感じる嗜好もあるようだ。

リンのエロシーンの具体例

バイト先のカフェで:給仕中にもかかわらず痴漢
ラブホテルで:まんぐり返しにされて、膣もアナルも処女喪失
ナイトクラブで:ステージの上で公開セックスショー(手コキ、口淫、精飲、騎乗位)

喜壱以外に犯される場合では……

映画館で:男たちによる口と膣の二穴輪姦

等々、全11シーン(そのうち輪姦2、喜壱以外による陵辱1)。

魅力的なサブヒロインたち

本作のメインヒロインは以上の5名だが、楠木蓮花やミツキといったサブヒロインもなかなか魅力的なので、少しだけ紹介しよう。

出典:同上

蓮花(CV:ももぞの薫)は、痴漢撲滅を掲げる警備会社ブラックハウンドの女社長。喜壱たち痴漢の天敵だ。

蓮花は、幼い頃のトラウマが原因で不感症になってしまっている。蓮花を堕とすには、彼女にもう一度”女としての自分”を取り戻させる必要があるが、喜壱ならばきっとやってくれるだろう。

出典:同上

もう一人のサブヒロインは、喜壱に痴漢されたくて仕方ない謎の女 ミツキ(CV:花南)。彼女は、実はとある人物の妻でもあるのだが、それが誰であるかは本編で確認してほしい。ミツキとは痴漢してやるだけにとどまらず、ミツキの夫と一緒に3Pするシーンもある。

出典:同上

蓮花やミツキのほかに、喜壱の妹であるしずく(CV:手塚りょうこ)も、魅力的なサブヒロインだ。特にキャラデザが個人的にどストライクなのだが、残念なことに、しずくのエロシーンは本作にはない。

ただまあ、しずくのエロシーンがないことには、ストーリーの内容からすると納得のいく部分もある。だが、続編やファンディスクがあるなら、ぜひ禁断の近親痴漢を味わわせてほしいところだ。

作品の評価

長所
  • 大風呂敷を広げて、シリアスな笑いを誘うストーリー
  • 痴漢されることで、より魅力を増していくヒロイン
  • 露出羞恥系のシチュエーションが豊富
  • 背景さえも丁寧に描かれた高解像度のビジュアル(1080p)
  • 優れたキャラクターデザインとヒロインの淫靡な表情
短所
  • ユーザビリティが低く、不安定なゲームシステム
  • 箱舟に乗せた場合のエロシーンが少なすぎる
  • 複数ヒロインとのエロシーンがない

評価:良 この作品をどう評価すべきか? 良作なのか、駄作なのか。それはとても悩ましい判断だ。

なぜなら、本作は、バカゲーとしてのストーリー性やキャラクターの魅力に関しては優れた作品だけれども、ゲームシステムに関してはお世辞にも良いとは言い難いからだ。

本作のゲームシステム(レビュー執筆時点ではVer.1.01)は、暗転から復帰するまでに異常な時間がかかったり、そもそも復帰できずに進行不能となる等のバグを抱えている。また、作業的な繰り返しを要求するゲーム性なのに、テキストスキップの速度が非常に遅く、目当てのセーブデータを探しにくい仕様だ(セーブデータにゲーム日数と話数の表記がない)。

ゲームシステムはこのような有り様なので、自力で完全攻略しようとするプレイヤーほど馬鹿を見る。しかし一方で、本作にはクリア後にオートコンプリートする機能があるため、完全攻略を目指さないカジュアルなプレイヤーであれば、システムの欠陥はさほど気にならないだろう。

本作を駄作ではなく良作と評価する所以ゆえんは、まさにそこにある。この作品はもともと、がっつりと本格的に遊ぶような内容ではないのだ。

本作は痴漢という陵辱的な題材を扱っているが、実際の中身はどちらかと言えば和姦に近い。主人公以外による輪姦もあるが、それらは数が少なく、陵辱モノとしてみればさほどハードな内容でもない。

本作がメインに据えているのは、スタイリッシュでおバカな痴漢活劇と、魅力的なヒロインたちを半ば独占したうえでの露出羞恥系エロシーンだ。ストーリーは外観上シリアスに進行していくし、ヒロインは喜壱によって無理やり痴漢されるが、そこにプレイヤーの気分を暗くさせる要素はあまりない。

本作をラーメンにたとえるなら、あっさり豚骨ラーメンだ。ギトギトして脂っこいイメージに反し、旨味のあるスープと食べやすい極細麺で勝負するタイプのあれだ。二郎系のあれとは全然違うやつなのだ。

この作品は痴漢を題材としながらも、そういう”あっさりとして食べやすい”カジュアルさを武器にしており、食べた後に下痢をもよおすような要素を控えめにしている。個人的にはもう少しくらいギトギトしていてもいいのではないかと思うが、それは本作の目指す方向性とは違うのかもしれない。

何にせよ、クソなゲームシステムに付き合って散々な目にあった恨みはさておくとして、本作のストーリーやキャラクターについてはとても楽しませてもらった。きっと続編はあると信じているので、次回もまたスタイリッシュで愉快な痴漢活劇をみせてほしい。

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著者
Asmiya
Asmiya

旧サイト(DLdou)含めて10年近く、主にエロゲーのレビューや攻略記事を書いています。レビューは「その作品の購入を検討するにあたって必要となる情報を、出来るだけシンプルに詰め込もう」という観点から試行錯誤しており、時折書き方が変わることがあります。更新情報はTwitterやフィード(RSS)で配信しています。

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