淫乱M嬢の和姦調教もの。調教される側であるメリーの視点で、結婚前と結婚後の淫蕩な日常をそれぞれ描いている。序盤は使用人や講師たちによる調教、中盤は結婚前の処女調教、終盤は旦那様の姪や旦那様本人による調教という3部構成だ。
メリーはもともと身寄りのない娘であり、結婚前はとある移動アートギャラリーで暮らしていた。そのギャラリーでは”個人が一番美しく乱れる姿”を展示しており、”展示品“とは緊縛された裸の女たちであった。メリーは、マスターの展示方針に従い、あえて処女のまま緊縛放置の調教を受けることになる。
メリーを用いた作品のタイトルは“処女絶頂”。きつく緊縛された状態で透明な展示箱のなかに入れられ、観客たちに見つめられるだけで絶頂してしまうという、異常な露出マゾ体質の彼女だからこそ成れる珠玉の一品だ。
とはいえ、メリーのマスターもまた、類まれなセンスのある調教師ではあったのだろう。路地裏の浮浪少女に可能性を見出した慧眼も然ることながら、”処女絶頂”など凡人には到底思いつかない。そのコンセプトに思い至ったとしても、実際にそれを実現してみせるのは天才のみに成し得る業だ。
メリーはギャラリーの展示品として数年間を過ごした後、名門サルバトール家当主の嫁として身請けされることになる。サルバトール家には「充分に快楽を得られる身体で身籠った子は優秀に育つ」との考えから、嫁に対して肉体の快楽開発を行うという教育制度がある。メリーはこれを強制されたのではなく、承知のうえで現在の旦那様の嫁として処女を捧げたのだという。
メリーは、メイドたちの手でその淫らな肉体を日々管理されながら、専門の講師によるカリキュラムに従った”授業“を受ける。メリーが教育されるのは、膣快楽だけではない。女体に関する知識やパイズリ奉仕の仕方なども仕込まれ、アナルや尿道の快楽も当然のように開発されていく。そしてその際には、ディルドー、尿道ブジー、クスコといった器具が用いられることになる。
そうして朝昼の日課を終え、夜になれば、いよいよ旦那様の子種汁を頂戴するときだ。”授業”の感想を詳しく旦那様にお伝えし、一日頑張ったご褒美も兼ねて種付けをしていただくのだ。
なんと素晴らしきサルバトール家の教育制度か。いっぱい調教されて、愛する旦那様の精液をいっぱい貰ったメリーの表情はとても幸せそうだ。きっと彼女は良い子を孕むのだろう。
私は、近作『ラストモール~首吊男子と肉食女子~』から入って、ヨールキ・パールキさんの過去作も幾つか買ったのだけれども、これは本当に素晴らしい作品だった。淫乱マゾヒストな嫁を家ぐるみで調教するという分かりやすいコンセプトで、和姦調教好きにはかなりオススメしやすい。
唯一残念だったのは、作中でメリーが実際に孕むところまで描かれていないことだが、これは公式の作品説明にも「※ボテ腹無し」と注記されているので、さほど大きな問題ではないだろう。