サイコメトラーとJK退魔師によるホラー探索RPG。ヌルゲーマーでも楽にクリアできて、イベントのコンプリートも簡単だ。エロシーンはツクール作品にしては中身が濃く、あらゆるハードコア陵辱系のエッセンスが詰まっている。リョナと異種姦への耐性はあったほうがいい。
序盤のあらすじ
優秀なJK退魔師〈伊早瀬アラカ〉は、女性退魔師にとって相性が悪い異界〈淫界〉に囚われてしまった。恋人の“君”は、2ヶ月前に失踪したアラカを探して、異界化した廃ビルへとやって来た。サイコメトリー能力者である”君”は、その能力を用いて犠牲者の残滓から”残留思念”と”光景”を読み取りながら、アラカを捜索するのだ。
アラカちゃん”で”遊ぼう!(遊ぶな!)
本作は、前半と後半で2つのゲームパートに分かれている。
前半は、男性主人公の”君”が廃ビル内の探索を行うホラーパートだ。ホラーパートでは戦闘イベントは発生しない。イベントマーカーのあるオブジェクトを調べて、アイテムやイベントを回収し、行方不明のアラカちゃんの痕跡を辿っていくだけだ。
後半のアラカパートは、ホラーパートで特定の条件を満たすと開放される。アラカパートの開始時点は、”君”が廃ビルの下層の探索を始めたあたりまで遡る。アラカパートでは悪霊との戦闘もある。操作キャラは貧弱な”君”からJK退魔師のアラカちゃんに代わり、”君”が廃ビルから無事に脱出できるように、陰ながらサポートしていくことになる。
本作のゲーム的に面白いポイントは、ホラーパートでの”君”の行動が、アラカちゃんの状態に多大な影響を及ぼすという点だ。ホラーパートにおいて”君”がやらかした失敗は、恋人のアラカちゃんを苦しめる結果につながる。アラカちゃんは、悪霊により様々な”モノ”に見立てられたうえで犯され(見立てイベント)、さらには弱体化してしまうのだ。
愛しいアラカちゃんの助けになりたければ、”君”は軽挙妄動を厳に慎み、彼女のためになる行動だけを取り続けるべきだ。そうすれば、彼女は悪霊にそう簡単には負けなくなるし、陵辱される機会も減る(*注:無くなるとは言っていない)。恋人であれば当然そうなるように行動すべきだろう。しかし、もしも不幸な事故によりミスが起きてしまった場合、そのぶんだけ彼女はひどく犯され、その後遺症に悩まされることになる。
アラカちゃんが冒される後遺症の名は聞くだに悍ましい。卵巣淫蟲巣、椅子奴隷型跪きマゾ、淫水垂れ流し、異種熱胎産母胎、蟲舐敏感アクメ肌、射乳体質、牝アナル一本道ーー等々、言葉の意味は良く分からないが、何だかヤバそうな病名ばかりである。恋人がそのような病に冒されることは、誰だって避けたいはずだ。
“君”が最初から余計なことをせず、アラカちゃんが限りなく万全に近い状態でラスボスの前に辿り着けたなら、一周目にして最善のトゥルーエンドを迎えることも充分可能だ。その場合は、アラカちゃんの陵辱回想の大半を埋めることはできないが、”君”とのラブラブな後日譚だけは約束される。本作のエンディングは”君”の恋人が酷い目にあうものばかりだから、迷わず目指すべきはトゥルーエンドだ。それ以外は絶対にダメだ。
しかし遺憾なことに、世の中には恋人が寝取られて喜ぶ変態も数多くいるらしい。嘆かわしいことだ。そうした変態どもは、アラカちゃんを助けるよりもむしろ、アラカちゃん”で”遊びたい! などとエゴイスティックな願望を露わにし、恣意的なミスにより彼女を悪霊たちの餌食にしてしまうのだろう……。
もっとも、プレイヤーの諸君は晴雲秋月の心を持っており、そのような愚行を犯すことは決してないと私は信じている。アラカちゃん”で”遊ぼう! という淫魔の思惑には乗らず、彼女がタイトル画面のようになってしまう未来を避けるため、どうか慎重な探索を心がけてほしい。
アラカちゃん”で”遊んだ結果
ーーとはいえ。
もしもアラカちゃん”で”遊んでしまった場合はどうなるのか、参考までに知りたいと思うこともあるだろう。それは悪くない考えだ。彼女の悲惨な未来を知れば、それを回避したいと願う気持ちもまた強くなるだろうから。
最も身近でお手軽に知ることができる実例は、実は廃ビルのそこら中にある。霊視により目を凝らしてみれば、悪霊の犠牲となったモブ女たちの残滓にマーカーがつく。それにサイコメトリー能力を行使すれば、モブ女が悪霊に犯される光景を視ることができる。
悪霊たちに犯された女の末路は悲惨だ。悪霊には、女の犯し方に悪趣味なこだわりがある。それは、女を何らかの”モノ”に見立て、その”モノ”の歪められた用途になぞらえて犯すというこだわりだ。しかも、女たちは”モノ”として扱われ続けることで、精神や肉体のあり方がその”モノ”自体に近づくという呪いが込められている。
例えば、パンチングマシーンに見立てられた女は無抵抗のまま、着ぐるみの悪霊たちに代わる代わる腹パンされ続ける。はじめのうち、女は苦痛に喘ぐだけだ。しかし、何日も不食不眠のまま殴られ続けていると、なぜか骨盤と内臓をグチャグチャにするその衝撃だけで絶頂してしまうようになる。そうした肉体の変化が極まると、自分がパンチングマシーンであることを自覚し、人間であった頃のほうが間違いだった、と思えてくるようになるのだ。
もっとも、優秀なJK退魔師であるアラカちゃんの場合は、一般人の女と違ってそこまで簡単に堕ちたりはしない。アラカちゃんが”君”の尻拭いのために見立てプレイを強制されたとしても、完全に堕ちきる前に何とか復帰できる場合がほとんどだ。ただし、どうやっても抗えないこともあり……そのときは、単なるモブ女よりもひどい有り様になるから、そんなエンディングを迎えないように注意しよう。
なお、悪霊たちの中には、いちいち女を”モノ”に見立てずに好き放題犯す連中もいる。そういう刹那的な悪霊は、見立て派の悪霊よりも女体の扱いに遠慮がなく、より激しく犯す傾向にある。触手などが耳から入って脳へ、膣から入って子宮や卵巣へーーと、女の穴だけでなくその先の内蔵まで犯すような悪霊は、見立てなどといった面倒なことはしない連中が多いのだ。
しかも最悪なことに、アラカちゃんに見立てなしのハードな陵辱をしたがる悪霊は、力のある悪霊ばかりだ。そいつらには絶対に負けないためにも、”君”は彼女の足を引っ張らないように気をつけるべきなのだ。
作品の評価
評価:優 前半のゲームパートで犯した過ちが後半でヒロインを苦しめるーーただし、それはエロシーンを伴っており、観たければ過ちを犯すしかないという底意地の悪いゲーム性に、フフッ、と思わず笑いが溢れた作品。
悪霊によるハードコア陵辱に特化したエロシーンは、価格のわりにとても数が多い。それは種類の多さにもつながっていて、列挙するとーー異種姦、蟲姦、獣姦、肉体改造、輪姦、緊縛・拘束、電気責め、アナル、フィスト、妊娠ボテ腹、母乳、出産・産卵、ふたなり、リョナ、子宮脱、串刺し、四肢欠損ーー等々、あらゆる変態的あるいは猟奇的なプレイが、総花的に詰め込まれた作品になっている。存在があやしいのはスカトロだが、こちらの有無の判定は、ウンコ以外を排泄物として認めるかどうかといったところ。
ゲームシステムはストレスフリーであり、プレイヤーに自力で攻略させることには全然こだわっていないようだ。その証拠に、製品版には最初から攻略チャート(PDF)が同梱されているし、すべての回想を強制開放する機能もついている。また、アラカちゃんが弱体化しすぎてラスボスに勝てなくなったとしても、〈ゴリラモード〉を開放すれば、ほぼ確実に勝てるようになっている(*ゴリラモードの開放方法は同梱PDF参照)。
ただし、ゴリラモードに頼らず、正攻法で2周したところでさほど時間がかかるわけではない。私が実際に周回したところ、アラカパートまでは10分程度、ラスボス戦直前までは30分程度で到達できた(*メッセージスキップありの場合)。ホラーパートとアラカパートの双方を顧みながらストーリーを楽しみたければ、あえてもう一度はじめからプレイするのも悪くはない選択だ。
本作は、エロシーンは徹底してハードだけれども、ゲーム性は常にヌルゲーマー・フレンドリーな作品であった。回想は、暴力や欠損、蟲姦シーンには事前警告が入る安全仕様だ。「終始紙芝居なゲームは嫌だ、でも面倒なのも嫌だ、エロシーンには刺激がほしい、でも自分に耐性がないのは極力避けたい」という難しい嗜好の方でも、この作品であれば安心して楽しむことができるだろうーーたぶん。