愛上陸(代表作『イジラレ』)とNATORI烏賊(代表作『催眠術』シリーズ)という、催眠ジャンルの人気クリエイターによる作品。エロシーンのクオリティはとても高い。おっぱい、クリトリス、アナル、孕ませとった要素に心惹かれるなら、オススメできる。
本作の特色について
「催眠学習」とは何か
努力嫌いな劣等生の赤野聡一は、あやしい通販で睡眠学習機を手に入れる。その睡眠学習機の効果は本物で、使用者が寝ている間に予め設定した知識を刷り込むことができる。もともとは楽して良い成績を取るために購入したモノだが、悪知恵だけは働く赤野は、これを利用して学園の女生徒や女教師を手篭めにすることを思いついた。
どうやらこの睡眠学習機による知識の刷り込みは、かなりエゲツないものであるらしい。刷り込まれた知識は後から学習したというよりも、元から自分が持っていたと錯覚するほど自然に刷り込まれる。つまり、この性質を悪用すれば、女達に間違った常識を植え付け、エロい妄動を取らせることも可能だというわけだ。
本作の催眠プレイは、この睡眠学習ならぬ催眠学習機を用いて行われる。ターゲットが眠っている間に使用しなければならないという制約はあるが、赤野は序盤でとても都合の良い環境を作り上げることに成功するため、ヒロインを催眠にかけるにあたって面倒な駆け引きはない。
「常識改変」と「性的な知識の刷り込み」が基本
ターゲットに施される催眠は、「常識改変」と「エッチな知識の刷り込み」が基本である。性格の改変までは行われないため、ヒロインがいきなり赤野に従順な肉奴隷になるとか、そういった展開はない。
催眠下のヒロインにとっては、どんなエロい言動も“自らの常識に基づいて” “自主的に”行っていることだ。ヒロインは劣等生の赤野を疎ましく思っているものの、オナニーや性行為の快楽に溺れすぎないためには、むしろ大嫌いな赤野くらいが相手としては丁度良いのである。
ヒロインの認識がこうなっているので、本作のエロシーンは外観上、ヒロインが赤野をリードする側にある。もちろん実際にはそれは赤野の仕込みであるから、我々はヒロインの滑稽な痴態と倒錯した内心とを上から目線で楽しむことができる。
特定の性的嗜好にフォーカスした独占的なエロシーン
エロシーンはすべて赤野による独占である。人妻の寝取りシーンでは夫も登場することがあるが、堕とした女を夫とシェアしたりはしない。独占的でない行為は、せいぜい堕とした女を生徒の前で晒す程度のものだ。
エロシーンの内容は、催眠の仕込みについては相当なこだわりが見られるものの、マニアックで人を選びすぎるような変態プレイは行われない。しかしながら一方で、エロシーンは特定の性的嗜好ーー具体的に言うと、おっぱい、アナル、クリトリス、孕ませーーに焦点を当てている。それらの嗜好がプレイヤーの好みに合うのであれば、エロシーンが淡白すぎると感じられることはないだろう。
次章では、このあたりをもう少し掘り下げてレビューしていく。
催眠とエロシーンについての詳細
エロシーン数:月乃9、涼香4、なつき7、綾子3、月乃&涼香3、月乃&なつき1、涼香&綾子1、その他2
特定のヒロインだけを調教することはできない
本作には4人のヒロインがいるが、特定のヒロインにしぼって攻略することはできない。必ず2人以上のヒロインと関わることになる。ただし、だからといってハーレムが基本というわけではないし、3人以上のヒロインを同時に相手にすることもないから、ハーレム展開は期待しないほうがいい。
クリトリスと肛門を開発される生娘たち
最初の犠牲者となるヒロインは、生徒会長にして学園理事長の娘でもある姫宮月乃(CV:未来羽)だ。彼女は催眠前は貞操観念の強い女だったが、催眠後は日々のオナニーによる自己開発を強いられる。その結果、弄りすぎたクリトリスの包皮は剥けやすくなり、アナニーのしすぎで肛門の色素が濃くなってしまう。
もうひとりの女生徒である藤井なつき(CV:蒼乃むすび)もまた、日々のオナニーにより自己開発を進める点では同じである。ただし、なつきの場合は、陰核はなつき自身の手によって開発されるものの、アナル快楽は赤野の介添えによって仕込まれる。資料作りのためのオナニー撮影も、基本的には赤野が補助している(月乃の場合は自撮り)。
月乃もなつきも処女であるが、どちらも処女喪失前からアナル弄りを覚えさせられる。その結果、二人の女学生は、後に犠牲となる女教師二人と比べて、アナルで快感を感じる機会が多い。特になつきの場合、処女喪失の時期が遅く、本作で最も念入りにアヌスを開発されていくことになる。
おっぱいとまんこを再開発される女教師たち
学園理事長の姫宮涼香(CV:手塚りょうこ)と、クラス担任の笹川綾子(CV:葵時緒)は、どちらも非処女である。
涼香は、赤野を学園理想の男子たる“質実剛健”な男にきたえ直すため、個別指導を行う。質実剛健とは、ちんぽが硬くて逞しいことを意味する。質実剛健な男であるならば、女の顔色を伺わず乱暴に犯してみせるべきだとの考えから、涼香は赤野に積極的に女の肉体を蹂躙する機会を与えてくる。
涼香は、赤野を認めたくない娘を無理やり従わせたり、綾子が赤野と関係を持つきっかけを作る仲介人的なポジションにいる。そのため、涼香との1対1でのエロシーンもあるが、3Pでのエロシーンも同じくらいある。
一方、綾子は、涼香の勧めにより、学園に新設された慰安室で、赤野による性感マッサージを受けることになる。綾子は学生時代の彼氏に抱かれて以降はご無沙汰であったが、その淫らな肉体は赤野によって再開発されていく。生徒に妊娠させられるとボーナスと産休が出るという刷り込みから、彼女は中出しを拒まず、むしろ歓迎してくれる。
この女教師二人は、十代の生娘にはあり得ない熟れた肉体が魅力的だ。エロシーンでの一枚絵は、巨大な胸や尻を強調してみせる構図が多い。二人は赤野よりも大柄な女性として描かれており、おねショタのように豊満な肉体に包み込まれるようなエロさがある。処女のまま陰核や肛門を開発するような倒錯的プレイではなく、ストレートに女の象徴を見せつけ、それらを貪らせてくれるのだ。
性的嗜好へのこだわりを感じさせる表現
本作のエロシーンは、催眠陵辱ものとしてはわりとソフトな部類である。しかし、絵画的な正確さよりも分かりやすいエロさに特化した作画や、エロ表現について執拗なこだわりをみせるテキストが、本作のエロシーンをとても実用的なレベルに引き上げている。
例えば、ヒロインが肛門を責められていれば、それは単純に「アナル気持ちいい!」で終わりではなく、排泄感に結びつけられている。本作にスカトロを直接描くシーンはないが、ヒロインの言動からは「うんこ」などといった言葉が頻出し、うんこを捻り出す感覚がアナルを責められる感覚とリンクしているのが分かる。
また、ヒロインのクリトリスは当初包皮を被ったままであり、これをはじめに剥くときは強烈な刺激をともなった。それが自己開発を進めていくと、ほぼズル剥けになり、クリトリスがすっかり弱点となり、後の計測では勃起時のサイズも人並みを超えて成長するのだ。
ヒロインを孕ませることは、この作品においては重要なイニシエーションだ。それ故、ヒロインに何度も中出ししていたらいつの間にか妊娠していた、などという成り行き妊娠にはなりにくい。妊娠させるときは、しっかりと孕ませるに相応しいシチュエーションを用意したうえで、孕ませる。孕ませ合宿でがっつり中出ししたり、排卵期の公開破瓜で孕ませたりするのだ。
ヒロインは、制服やスーツ以外にも、競泳水着(月乃)、体操服(なつき)、女子学生服(涼香、綾子)、エロランジェリー(なつき以外)を着ることがある。ヒロインはそれを着るのが不自然な状況でプレイ用の衣装を着用することもあるが、その場合はちゃんと理由が用意されている。ストッキングや靴下などにもいちいちこだわりがあり、着衣セックスのエロさが充分に引き出されている。
評価
評価:良 一つ一つのエロシーンは申し分のない出来栄えだ。女生徒と女教師でエロシーンの趣向が異なっており、マンネリ感がない。作画にはエロさという点で突き抜けた魅力があり、テキストもそれに相応しい内容に仕上がっている。エロシーンのクオリティだけでいえば、この作品は非常に優秀だ。
しかしながら、定価3800円の低価格作品としては、無駄にヒロインを増やしすぎたという印象がある。この作品のストーリーは姫宮母娘が中心であり、なつきと綾子のエピソードに関しては別に無くても話としては成立するだろう。特に、綾子関係のエピソードは本筋に無理やり取ってつけたような感が強く、エンディングの締りも悪い。
フルプライスで出して、とまでは言わないが、せめて6千~7千円程度のボリュームがあれば、全体の完成度はかなり高い水準に達しただろう。エロシーンの出来が良いだけに、かえって残念な部分も目立って見える作品だった。