「初恋の人の娘」シリーズの第2作目。今回は相田母娘とともに温泉旅行へ行き、そこでもまた沙也果に誘惑されることになる。バレるかどうかスリルのあるシチュエーションが、前作よりも強化されている印象だ。
ストーリーの特色
まずは第1作目を読もう
この作品は「初恋の人の娘」の続編であり、登場人物も前作と同じで、新規ヒロインはいない。本編冒頭で沙也果視点による前作の回想はあるものの、前作既読であるほうが楽しめる内容だと思う。前作未読の方は、まずそちらから読むことをオススメする。
沙也果からは逃げられない
主人公(高田良彦)は、前作のエンディングでこんなことを内心独白していた。
まだ心の中では相田さんに対する未練もあるけれど…
やればできる娘。「初恋の人の娘」(2019) 文字あり版 koi_246.jpg
少なくとも体はもう、沙也果ちゃんに夢中になってしまった。
しかしその後、賢者モードで己を見つめ直す機会でもあったのか、「やはり今のような関係はよくない」と考え、沙也果からは距離を置くようにしていたという。だが、沙也果の猛烈なアプローチからは逃げられず、結局は元の木阿弥に戻ってしまう。
ふふ……虫が良すぎませんか?
あれだけわたしとエッチしておいて都合が悪くなったら
やればできる娘。「続・初恋の人の娘」(2020) 文字あり版 koi_031.jpg
やめようとか……
男としてどうかと思います♪
沙也果はそう言って良彦を軽くなじるが、まったくもって弁解の余地なくその通りである。前作でさんざん沙也果の肉体を貪っていたくせに、2作目の初っ端から一人だけ賢者モードとは許しがたい。しかも、この男はまたも穂乃果に惹かれているらしく、沙也果はそのことを見抜いている。
沙也果は、別に自分の母親と再婚するのは構わないというが、「なんか癪」であるという。前作での沙也果のスタンスは確か、良彦のことは好きだが結婚はママに譲る、良彦の娘となってずっと一緒に暮らせるからセックスし放題だ! という、恋愛を諦めるかわりに肉欲を追い求めるものだった。だが、良彦から理不尽に距離を置かれたことで、沙也果の内心にも変化があったのだろうか? 沙也果は以前よりも良彦に対する独占欲が高まっている様子である。
お邪魔虫としての沙也果
本作では、良彦と相田母娘は、3人一緒に温泉旅行へと出かけることになる。穂乃果は、沙也果が行きたくないのであれば、良彦と2人きりで行くそうだが、沙也果ももちろん付いていく。
旅行中、沙也果は、母親が席を外したり眠っている際には、ここぞとばかりに良彦を誘惑してくる。良彦と母が良い雰囲気になっていても、途中で邪魔をし、なかなか再婚の切欠を与えてくれない。旅行中から帰路まで、沙也果のジェラシーが顔を覗かせる場面がいくつかあり、彼女の愛おしさが増してくる。
続く……?
本作のエンディングは、続編の存在を匂わせている。起承転結でいえばちょうど「転」の部分で終わっているような内容であり、その先がとても気になるところだ。
エロシーンについての概観
CG枚数と解像度
基本CGは10枚+α。本編JPEG 227枚、文字なし版JPEG 227枚、それぞれPDF版あり。
解像度は、1600×1200。
主観視点から客観視点の構図へ
前作は、ほとんどのエロシーンが臨場感溢れる主観視点で描かれていた。
それに対し、本作のエロシーンは、客観視点の構図、引いた構図が多くなっている。主観視点や”それに近い”構図もあるが、沙也果と生ハメする距離感がやや不自然に開いて見えたり、透過された良彦の背中が見えたりしている。完全に主観的に見えるエロシーンは、沙也果の乳首舐め&手コキだけだ。
母親が近くにいる場所で密かにエッチしまくる
沙也果は、温泉旅館滞在中も、その帰り道や帰った後でも、良彦を積極的に誘惑してくる。
温泉旅館では、母親が寝ている側でこっそりセックス。それから夜の温泉に2人きりで入ってフェラ、立ちバック。帰り道では、母の運転する車の後部座席で寝たふりをしながら手マンをおねだりするなど、やりたい放題だった。
沙也果は、どうやらママにバレるかもしれないというシチュエーションに興奮する嗜好に目覚めたようだ。騎乗位セックスの最中に母から電話がかかってきて、母と通話している間も、腰を振るのを止めない。前作以上の変態女へと順調に成長しているようで何よりだ。
作品の評価
評価:良 良彦と母の再婚を口では認めつつも矛盾した行動を取ってしまう沙也果。いよいよ独占欲を顕にしてきた彼女であるが、もっとも肝心な場面は次回へと放り投げられた?
続編があるのかどうかは分からないけれども、あるなら次こそは母娘丼を食べてみたい(本作に穂乃果の立ち絵はあっても、エロシーンはない)。あるいは最後まで沙也果の独占でもいいが、それなら主観視点マシマシでお願いしたい。
エロシーンについては、穂乃果に見つかりかねない危ういシチュエーション自体は、スリルがあって良かった。しかし、客観視点寄りの構図が増えたことで、前作ほど臨場感のあるエロさが感じられなかったのが残念だ。次回は、どちらの美点も活かした作品を期待したい。