『春くらべ』シリーズの3作目。既刊最長編となる今作は、春ではなく夏休み中の出来事を描く。ストーリーは序破急の3部構成、エロシーンもそれに合わせて概ね3つのパートーー序盤は香純とのアナルセックスを中心としたプレイ、中盤はホテルでのお泊り3P、終盤は海での野外3Pーーに分かれている。
次回を期待したくなるストーリー
『春くらべ』シリーズは続編物だが、各巻にそれぞれのテーマ性があり、どの巻で完結してもおかしくないくらいには体裁が整っている。ただ今作の場合、香純が自分の将来に向けて意思を固めるまでがメインとなっており、広木や綾についてはまだまだ子供のままである。このシリーズが今作で終わったとしても別に不思議はないが、しかしどちらかというと、今作は“最終的な結末に向けての中継ぎエピソード”という印象を受けた。
今作では、香純と綾がそれぞれの立場から自分の将来に向き合う。しかし、広木のほうは、現在の爛れた二股関係に居心地の良さを感じている。彼は、ただひたすら現実逃避に走っている。
だが、広木の周囲はーー彼自身の家庭環境も含めて、確実に変わろうとしている。広木は、その変化を直視したくない。だから、彼にとって“何でも受けれてくれる女”である香純とこれまで以上に激しく交わることで、内なる不安を解消しようともがいているようだ。
現状の広木は客観的にみてクズ野郎だが、それでもまだ、香純と綾の心は彼から離れていない様子。綾は前巻で開陳したフリー・ラブ思想を撤回し、広木への独占欲らしき感情を覗かせたものの、略奪愛やそこに自分の価値を見い出す女の性といった不穏当な発言もしているあたり、最終的に彼とゴールインするのかはまだまだ分からない。
もし『春くらべ4』があるのなら、と考え始めると、いくつもの結末が思い浮かぶ。妄想が捗るシナリオこそは、良いシナリオだ。エロゲ・カタリは、第二の間男の登場を応援しています。
口淫、アナル、3P好きのためのエロシーン
さて、エロシーンについて。
序盤は、香純とのアナルセックス中心のプレイが主である。小型のシリンジ浣腸まで使って腸内洗浄をする気合の入れようだ(*脱糞はなし、ぬるま湯の排泄まで)。
どうやら広木と香純は、夏休み中はオマンコ禁止で、挿入はお尻の穴だけという約束をしていたようだ。しかし、広木はアナルに興味はあっても本格的な愛好家ではないため、すぐにマンコにも入れたがる。しかも、香純のほうもマンコへの挿入を簡単に許してしまう。
アナル好きな読者としては遺憾なことではある。しかしながら、アナルに挿れたチンポをそのままマンコに挿れられても怒らず、また、アナル中出し後のチンポを躊躇わず手コキ・フェラするといった、香純の相変わらずの献身ぶりには興奮できたので、溜飲を下げるとしよう。おっしこだか潮だか分からない大量の体液を吹き出しながらヨガる香純は、この夏、だいぶアナル快楽の開発が進んだようだ。イラマチオへの我慢強さも相当なもので、喉奥を無理やり突かれて咽ても、すぐにベロチューを受け入れられている。
中盤は、香純と綾とホテルにお泊りしての3P。3人入れる広い浴室でのダブルフェラ、アナル舐め&フェラ、ダブルお掃除フェラなど口淫好き大歓喜のシーンが目立つ。もちろんキングサイズのベッドの上では、貝合せ素股や顔騎&騎乗位など、3Pならではのセックスシーンもある。ちょっとだけだが中出し眠姦もあるのが嬉しいところ。
終盤は、海での野外3P。彼ら以外に誰もいない海で全裸になって遊んだり、橋の下で雨宿りついでにセックスしたりと、エロティックなバカンスを満喫できる。綾は前作までは外でのエッチを嫌がっていたが、今作では少しもそんな素振りをみせない。積極的に3Pでの青姦に関わってくるのは、どういった心境の変化だろうか。
全体を通してみると、今作は3Pでのお掃除フェラが大変印象深かった。香純と綾は競い合うように広木のチンポをしゃぶるのではなくて、一本だけのチンポを仲良くシェアするようにしゃぶる。二人して亀頭に唇を寄せることもあれば、金玉に吸い付いてくれることもある。
広木がこんなに献身的なフェラをしてくれる二人を絶対に手放したくないという気持ちは、とても良く理解できる。しかし広木では、香純と綾がどんな気持ちで彼のチンポを一緒にしゃぶっているのかは察せられないだろう。