前作『春くらべ』の続編。今作では前作になかった野外プレイが充実しており、中出しも条件付きで解禁される。アナルへの中出しや放尿シーンもあり、それ自体がメインではないものの、充分実用的な内容であった。
前作とは異なるテーマ性と趣向
私見になるが、前作は女子2人の”春”(*若い男女の性の比喩)を比べたうえで、本当に好きで相性が良いのはどちらなのか? というのが作品のテーマであった。しかし今作では、誰かを好きになったのならその人だけに縛られければならないのか? そもそも人は誰かのものになるのか? というフリー・ラブ的な価値観が作品の根底にあるようだ。
主人公の広木は、前作において香純ではなく綾を恋愛対象として選んだ。にもかかわらず、その翌日には「やっぱり手放したくない!」などと宣い、所構わず香純に性的アプローチを仕掛ける。朝の校内でいきなり香純の尻を揉んだり、日中の公園で香純のまんこを舐めたりと節操がない。
常識的に考えれば、香純はそんなクズ男を拒むべきだ。しかし、なぜか香純は広木に処女を散らされたあの日から、彼のことを憎からず思っているようだ。
一方、前回広木に選ばれた綾のほうは、彼との肉体関係は維持しつつも恋人と見做してはいなかった。というのも、どうやら綾は、恋愛やセックスを楽しむ気持ちはあっても、誰かのものになるとか、そういう”束縛をともなう特別な関係”に対しては抵抗があるようなのだ。
広木は、恋愛の対象としては相変わらず綾を本命としながらも、香純と綾の両方と肉体関係を持ち続けるようになる。しかし前作とは違い、今作は3Pはあってもそれ自体がメインではない。広木は香純と綾にそれぞれ違う日に2人きりで会い、欲望の赴くがままにセックスする。つまり、今作の”春くらべ”は、同室型ではなく別室型ーー彼女たちの自宅や校内、その他の場所で個別に行われるという趣向だ。
異なる魅力ある二人との濃厚な”春くらべ”の日々
今作のセックス会場もとい舞台には、香純の自宅も登場する。香純の自宅は、現代的なマンションや一般住宅の隙間にぽつんとある、古い木造の狭小住宅といった風情だ。テープで一部補修された窓の向こう側にある居住空間は畳敷きであり、広木と香純がまぐわうのはベッドの上ではなくお布団の上だ。
前作でも感じたことだが、本作の作者は少女の痴態を生々しく描くことに長けている。台詞に体臭にまつわる言及が多く、風呂に入る前の肉体やまんこの匂いが無臭化されていない。激しく動きながらキスをする香純の表情はどこか必死で、全身に滴る汗が微かな湯気を立ち上らせている。セックスする環境にはまるで団地妻モノのような生活感があり、いま快楽を貪っている少女の存在に確かなリアリティを感じる。
一方、綾の家は、大金持ちではないにしても裕福である。両親のいない日に綾の自宅にお泊りすると、程々に広いリビングやキッチンの様子が伺える。綾の手作りの夕食は盛り付けが丁寧で、良い素材で作られた料理が洒落た食器のうえに並んでいた。食後はデザートのフルーツを綾のまんこに詰め込んでみたり、ヨーグルトをのせたチンポを綾にしゃぶらせたりとイチャイチャ。夜は一緒のベッドに全裸で寝て、まるで性欲旺盛な新婚夫婦のような雰囲気を漂わせていた。
香純と綾の生活水準は明らかに違うが、彼女たちの違いはそれだけではない。香純は小柄で胸のボリュームも控えめだが、綾は一旦脱げば熟れた巨乳人妻のような肉体である。また、香純は避妊用のコンドームを予め用意しているが、綾は安全日であれば中出ししてもOKだという。
これだけなら、セックスや恋愛の対象としては綾のほうに軍配が上がりそうだ。しかし、香純は肉体の成熟度や実家の経済力で綾に勝てないにしても、甲斐甲斐しく男に尽くす“都合の良い女”としての魅力は圧倒的である。
綾は外でのセックスを嫌がるが、香純ならいつでもどこでもヤリたいときにヤラせてくれる。それが昼の学校内で、生徒たちに目撃されるリスクがあったとしてもだ。
香純は、好き勝手なイラマチオや、痛みをともなうアナルへの挿入も受け入れる。セックス後に香純が尿意や便意を催したとき、「見ないで」と口では恥ずかしそうに言いながらも、視姦や音を聞く程度なら許してくれる。親の教育により避妊意識は綾より高いようだが、いつ中出しされてもいいように自分からピルを服用してくれるあたりも、たいへん都合の良い女だ。
広木は、そんなふうに異なる魅力のある少女たちを代わる代わる抱いて、二人の”春”を比べていく。そうして彼らの関係が最終的にどうなるかについては、本作のテーマから考えれば大方の予想はつくだろう。
今作は前作以上に実用的で、面白みのある内容であった。『春くらべ3』ももちろん買ったので、そちらも後でレビューする予定だ。