DWARFSOFT『妻は今夜も奪われる～夫の知らない清楚系巨乳妻の過去と現在～』レビュー(評価：優)

あらすじ

大手出版社に務める主人公は、2年前に同じ会社の同僚であった桜良と夫婦になった。桜良は寿退社し、現在では専業主婦として夫を支えている。

ある日、主人公は、人気著述家の原村精蔵を接待していたが、図々しい原村の頼みを断り切れず、彼を妻のいる自宅に招いてしまう。

主人公は原村との酒席で酔い潰され、一時意識を失った。そして次に目を覚ますと、最愛の妻が原村にセクハラされている現場を目撃するが……。

作品解説と評価

結婚前に調教済みの人妻が再調教される

貞淑な妻が間男によって調教され、いつの間にか身も心も寝取られてーーという寝取られものの典型的なストーリーは、本作にはない。本作では、夫以外の男(原村)に調教された過去を持つ妻(桜良)が、結婚して2年後に再調教される。

妻は最初から調教済みのド淫乱なので、身も心も寝取られるのは時間の問題だ。間男の原村は権力者であり、夫の味方は誰もいない。さらに夫は、無自覚な寝取られ性癖持ちだ。寝取られはどうやっても回避できない。

この作品は、淫乱妻が序盤から完堕ち寸前だという状況を最大限活かし、妻が自ら望んで性奴隷に堕ちる前後のエロシーンと、それに対する夫の反応を丁寧に描いている。寝取られの過程よりも、快楽に堕ちた妻の痴態に夫視点でフォーカスした作品だといえる。

浮気調査ルートと動画鑑賞ルート

本作には、浮気調査ルートと動画鑑賞ルートがある(*ルート名は仮称)。

2つのルートは、夫が基本的に傍観者ポジションであるという点で共通している。逆に大きく違うのは、夫が妻の痴態を直接みるか、あるいは間接的にみるか、という点だ。

浮気調査ルートでは、夫が隠れて妻と原村の浮気現場を覗き見る。一方、動画鑑賞ルートでは、妻の調教動画が夫のもとに次々と送られてきて、夫はそれらを鑑賞することになる。

動画鑑賞ルートで送られてくる調教動画は、それがいつ撮影されたものであるかは明らかにされていない。夫と付き合う前のものかもしれないし(付き合う前なら浮気ではない)、今現在浮気している妻の痴態を映したものかもしれない。夫は、動画の内容からそれがいつ撮影されたものか推察し、果たして妻の不貞はあったのかと悩み苦しんで射精するのだ。

この動画鑑賞ルートがメインルートであり、4つあるエンディングのうち3つはここにある。浮気調査ルートは、回想登録順では先にあるが、内容的には動画鑑賞ルート後に入ったほうが良いと思われる。

奪われた妻と傍観者の夫

エロシーンは、すべて夫視点で進められる。夫は傍観者であり、一部のエンディングを除けば、夫自身が性行為に関わることはない。

前述したように、妻は結婚前に調教済みなので、2年間のブランクがあるとはいえ、被虐快楽への順応性は最初から高い。序盤からチンカス掃除させられて興奮するくらいにはドMでド淫乱だ。

妻は、原村と比べて短小な夫のペニスに不満があるものの、夫への愛情がないわけではない。妻自身の認識では、御主人様である原村への愛情と、夫への愛情は一応共存しているようだ。

しかし、原村との不倫中に言葉責めにあうと、ついつい夫の情けないセックスと比べてしまう。自分をひどく嬲ってくれる原村なしでは、もはや生きていけないと思ってしまう。愛情の重さは、明らかに原村へと天秤が傾いているのが辛いところだ。

夫は、そんな快楽狂いの妻の過去と現在を見つめて、自慰に耽るだけの哀れな傍観者だ。寝取られ性癖を開花させてしまった夫はEDとなり、妻が他の男に抱かれる姿を見ているときだけ勃起できる。プレイヤーは常にそんな情けない夫の視点に縛られるので、ずっと胸が悪くなる気分を味わい続けることになるだろう。

評価

評価：優 人妻寝取られものといえば妻視点で進められる作品が多い中、本作は夫視点のみ、という意外な構成の作品だった。間男と出会ってから寝取られるまでの過程そのものよりも、快楽堕ちした妻の痴態に焦点を当てているという点にオークソフトらしさを感じる。

プレイヤーの視点が夫視点に縛られるために、ストーリーには最後まで仔細が明らかになっていない点が多々ある。例えば、妻が結婚前に原村と出会い、調教されていく過程で何を思っていたのかは最後まで分からない。夫視点で分かるのは、過去の動画に映っている部分だけだ。本作においてプレイヤーは神の視点を持てないので、分からないことは想像で補うほかないのだ。

ただ本作は、そうした不明点があるからこそ、夫への感情移入が深くなり、とても胸糞悪い気分を味わえるのかもしれない。

我々からみて妻がああなった理由が明らかでないため、妻は客観的には単なる快楽狂いの変態女にしか見えない。だが、妻には夫への愛情……というよりはその残滓があり、それが未だに妻を愛する夫とのか細い絆として残っているようだ。

しかしその絆は、原村との関係如何によってはすぐにも断たれれる程度のものにすぎない。しかも我々はその断たれる瞬間を知ることすらできない可能性がある。そうした不安を抱えたまま傍観者に甘んじていることが、とても”気分が悪い”のだ。

もちろん、寝取られ作品にとって、この種の気分の悪さが感じられることは良作の証である。基本CGは22枚、差分も一部[注1]を除けば充実、とコンテンツの量的にも申し分ない。オークソフト(ドワーフソフト)は、今回もまた素晴らしい作品を作り上げた。

なお、この作品は執筆現在、DLsiteとFANZAのどちらでも10%割引されるほか、FANZAではそこからさらに専用の25％OFFクーポンを適用できる。ほぼ旧作のような価格で購入できるので、このセール期間中に買うことをオススメしたい。

エロシーンの詳細

小宮 桜良(CV：御苑生メイ)

本作唯一のヒロイン。夫は桜良の初めての結婚相手ではあるが、初めての男ではない。夫の短小チンポではマンコの奥に届かず、荒々しい被虐セックスが好みの彼女を喜ばせることはできないようだ。

エロシーンのリスト