だーくニャー！『異世界縁交』レビュー(評価：良)

あらすじ

チアダンス部に所属する女学生の朝比奈あさひな結天ゆあは、ある日突然、異世界転移した。結天は転移した先で男達に捕まり、処女のまま奴隷商に売られてしまうも、同じ日本人の更科さらしな千寿ちひろに救い出された。

千寿は、酒場『夜ふかしな仔猫』にて縁交斡旋を行っている、おっとりとした女主人だ。

千寿は当初、見るからに世間擦れしていない結天に、縁交をさせるつもりなどなかった。しかし、結天自身の強い要望により、彼女に縁交相手を斡旋することにした。

結天は、最初は不慣れながらも男達との縁交を重ね、次第に男を悦ばせる才能を開花させていく。

作品の評価

ストーリー

処女からはじめる売春ものと聞くと、私は、”女がひたすら堕ちていく”ストーリーをまず思い浮かべる。ヒロインが大金を得ながら快楽を貪ることに溺れたり、たちの悪い男に引っかかって劣悪な環境で売春を強いられたり、といったありがちな話を、だ。

私は、オナニーのネタとして散々繰り返されてきた、そんな”よくある酷い話”が好きだ。けれども、今回レビューする『異世界縁交』のストーリーは、そういったものとは異なる。

処女の女子学生だった結天は、同じ日本人にして援交斡旋酒場の女主人である千寿から、何一つ強要されない。結天が『縁交』[注1]するのは、完全に彼女の意思だ。千寿はむしろそれを制止しようとした側である。

結天が『縁交』する理由は、建前としては千寿への恩返し。本音としては、他の店員達と同じことをして、仲間になりたいから。孤独を嫌う結天にとって、店のなかで自分だけ縁交していないという疎外感は耐え難いのだという。

本作は、そんな結天が『縁交』を通じて、元いた世界では成し得なかった自己実現に至る過程を見守りたい方向けの作品だ。セックスワーカーが自分なりの幸せを手に入れる話が好きなら、この作品はずいぶんと楽しめるだろう。

結天にとって、『縁交』とは自己肯定感を得るための手段だ。もちろん、それで得られる快楽やお金も大事だけれども、それが全てではないのだ。だから、頭と股の緩い少女が金銭欲や性欲に負けて自滅していく儚い様を観察したい、そんな筋書きだけを読みたいという方には、この作品は根本的に向いていない。

エロシーン

結天に充てがわれる客はみんな、千寿によって選別された良客だ。世間の倫理的にはともかく、娼婦目線で都合の悪い客は一人もいない。

そのため、結天は客から過剰な暴力を受けたり、望まないプレイを強いられたりすることがない。つまりそれは、複数の男達に犯されたり(和輪姦)、日中に露出プレイさせられたりしても、結天は自分の意思でそれら全部を受け入れているということだ。

もっとも、異世界転移した時点では処女だった結天が、最初からそんなハードプレイを熟せるわけではない。千寿のレクチャーを受けて、ぎこちないながらもフェラを覚え、穏当に処女喪失し、時にはパイズリなどを客に仕込まれながら育っていくのだ。

ただし、結天の成長スピードは並大抵ではない。破瓜の痛みはしっかり感じていたが、すぐに慣れて、初セックスで絶頂にまで至った。蒸れた男の汗、チンポのアンモニア臭に戸惑いながら、しゃぶったペニスの味は正直ひどかった。しかし、「美味しい」と口に出して言ううちに、気分が高揚していった。

結天は、はじめてのプレイでは戸惑いや不安、時には苦痛を覚えることがあるものの、それに順応して自らの快楽に変えるまでがとても早い。稀有な才能だ。順応前と後の緩やかなギャップにグッとくる。

多くの客がそんな彼女を贔屓にするのは、当たり前だろう。ほとんど全部のエロシーンが抜きどころで、大変良かった。

結論

評価：良 本作のシナリオにはルート分岐がないので、売春ものに何を求めているかによって評価が違ってくる。処女だった女の子が縁交を重ねることでエッチに成長し、自己実現に至る過程を見守りたい方には、この作品はきっと刺さる。だが、快楽漬けになった女の子が社会のどん底に堕ちていくのを楽しみたい方にはまったく向いていない。

個人的にはとても楽しめたし、エンディングも妥当なところに落ち着いたと思う。だが、最も盛り上がるエロシーンがエンディングより前にあって、エンディングは基本的に立ち絵とテキストで進んでいくという構成は、抜きゲーとしては宜しくない。ちゃんとエンディングHも用意しておくべきだった。

エロシーンについては、どんなプレイにも速やかに順応し、違和感を快楽に変えてしまう結天が非常にエロかった。

また、カットインを含む適切な差分変化で躍動を感じさせる絵面に、ヒロインのいやらしく蕩けた表情が良く映えていた。「基本CGが18枚しかない」「無修正の肛門だけ描画が雑である」という不満点を除けば、とても実用的なビジュアルの数々だった。

だーくニャー！の作品をプレイするのは本作が初めてなのだけれど、これは私のお気に入りだ。次回作にも期待したい。

エロシーンについての具体的な解説

結天(CV：赤月ゆむ)

『異世界縁交』のエロシーンの肝は、結天の初々しさと快楽への順応にある。結天がいろんな”初めて”を覚えさせられて、そこから得られる快楽に順応していくのだ。

フェラと膣性交は、千寿に付き添われて指導される。また、童貞っぽい挙動不審な客を相手に、結天自身も経験不足でありながらも、結天主導で優しく手コキしてあげることもある。あるいは日中、馬車の御者台に座って自らスカートを捲り上げたまま、誰かに見つからないかとヒヤヒヤしながら、股間を濡らすこともある(露出プレイ)。

どのようなプレイをされようとも、結天は結局それに順応する。マンコをぐしょ濡れにしてチンポの受け入れ準備が整う。

セックスは中出ししかしない[注2]。中盤以降の結天は意外とタフで、中出し後も抜かずに抽送され、連続で中に出されることがある。

序盤のフェラやパイズリでは顔射、手コキではそのまま射精させるが、口や手に付着した精液を舐めたりすることもある。また、終盤のフェラやイラマチオでは、口内射精された精液を当然のようにごっくんしてくれる。

終盤の結天単独シーンは、和輪姦になる。これは、いろんな客達との縁交を重ねてだいぶエッチに仕上がった結天の集大成的なエロシーンだ。結天はこれまで様々なプレイを経験してきたが、和輪姦の最中にもまたイラマチオやアナルセックス(三穴輪姦)など、初体験となるプレイをさらに仕込まれることになる。

結天単独シーンでの衣装は、女子学生服、ウサ耳チアガール。脱がされても半裸止まり、または着衣の一部が残り香のように残っている。素っ裸にはならない。

千寿(CV：君島りさ)を交えて3P

千寿単独のエロシーンは一つしかない。経験豊富な千寿は、結天を教え導くポジションに収まっており、結天と比べて余裕が感じられる。

結天と千寿が一緒に抱かれるのは、特定の一人だけだ(3P)。複数の男を交えて乱交することはない。プレイとしては、ダブルフェラ、ダブル手コキ、ダブル背面騎乗がある。

3Pでは、二人とも猫耳エロメイド服を着用することがある。

エロシーンのリスト